どんな商品にも販売価格というものがあり、陰に隠れた値引き幅というものがあります。建売住宅・分譲住宅でも例外ではありません。建売住宅の価格構成と値引きの限度額を明らかにしてみようと思います。
建売住宅の価格はこうして決まる
一般に建売住宅というと、完成した住宅又は完成予定の土地付きの住宅を言いますが、複数の住宅が建ち並んでいる場合には分譲住宅と言います。建売住宅でも分譲住宅でも価格の構成はあまり変わりません。
- 土地取得費
- 建売住宅用地を購入する為にかかった費用
- 宅地造成費
- 道路や公園を作ったり、整地などにかかった費用
- 住宅建設費
- 住宅を建設する為にかかった費用
- 販売経費
- 広告宣伝費用や営業スタッフなどの人件費など
- 販売利益
- あらかじめ事業計画で設定されていた利益
以上のような費用を積み上げて販売価格は決定します。このうち、土地取得費・宅地造成費・住宅建設費は完全に固定したコストですが、販売経費は販売期間が短いほど少なく済みますので変動する費用です。
販売利益は価格設定時に一旦決めるのですが、販売された時点での販売価格や最終的にかかった販売経費によって変動します。
最終価格に関係するのは全体の30%
変動する費用である「販売経費」と「販売利益」の合計は、事業のスタート時点では25~30%ぐらいに設定されているのが一般的です。
例えば「土地取得費・宅地造成費・住宅建設費」のコスト合計が2,000万円かかった物件としますと、初期に設定される販売価格は2,670万円~2,860万円となります。
販売価格からコスト合計を差し引いた 670万円~860万円が販売経費と販売利益に振分けられるのですが、最終的な販売価格が2,000万円となった場合には経費の分も利益の分も無い完全な赤字事業になってしまいます。
建売住宅を購入する側から見た場合、670万円~860万円が最大の値引き幅と言えるのです。
さてそれでは、可能な建売住宅の値引き金額を考えてみましょう。
建売住宅の値引きはどこまで可能か
価格は需要と供給のバランスによって決まると昔から言われています。建売住宅も同様です。
- 人気のある立地にある物件
- 希少価値のある物件
- 値ごろ感のある物件
このような物件は販売初期にどんどん売れていってしまいます。オープンハウスとして公開した初日に完売、なんてことは珍しくありません。
当然なことですがこのような物件に値引きというものはありません。
値引きがあるのはなかなか売れずに、長期間露出している物件です。
値引きには二通りあります
- 販売価格が時間と共に下がっていく物件
- 購入申込時に値引きされる物件
前者の場合は新しい価格が公表されるので、販売開始からの時間の推移によってどのように価格が変化するかある程度分かりますが、後者の場合にはどこまで値が下がるか見当がつきません。
ところがどちらの場合にも共通する法則のようなものがあります。
- 1年以内に売りたいのが事業主の本音
- 販売経費として最低でもコスト合計の15%は必要
このようなことから考えられる最低価格は2,300万円です。あとはこの金額で売買が成立するタイミングが問題なだけです。
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