中古マンションを選ぶときと、中古一戸建て住宅を選ぶとき、考慮するポイントには違いがあります。
一戸建て住宅を選ぶとき、ほとんどの方は「家の寿命」を考えます。ところがマンションになると「寿命」を考える方はどのくらいいるのでしょうか?
ここでは、家の寿命という観点からマンションを選ぶさいの考え方についてお伝えします。
家の寿命
日本は木造住宅が多く、昔から寿命は30年ぐらいと言われていました。しかし最近の木造住宅の耐久性は高く、60年程度は持つ住宅が増加しています。メンテナンスを適切に行うと60年を超えるようなケースもあると思われます。
では、マンションの寿命はどのくらいでしょうか? マンションの寿命が来ると住居としての機能を期待することはできないので、建替えするか解体するかのどちらかになります。
建替えされている事例では築40~50年がもっとも多く、築60年で建替えされた事例が次に多くなっています。そのような面からマンションの寿命は60年ぐらいが妥当な判断ではないかと思います。
つまり、マンションも一戸建ても寿命にあまり差はないと言えるでしょう。
築60年を迎える時
一戸建てもマンションも築60年を迎えたとき、自宅をどのようにするのかを考える必要があります。
一戸建てであれば
- 解体して建替える
- 解体して敷地を売却する
マンションの場合も
- 解体して建替える
- 解体して敷地を売却する
と選択肢は同じです。しかしマンションの場合は、ご自身の考えだけで選択をすることはできません。管理組合の総会で一定の合意がなければ、建替えることも敷地を売却することもできません。
くり返します・・・マンションは自身で先行きを決めることはできません!
つまり一戸建てとマンションとでは、寿命を迎えるときの意思決定の方法が、まったく違うという点を理解しておく必要があるのです。
建替え時期が到来したマンション
建替え時期が到来したマンションは、建替えか解体して敷地を売却するか、どちらかを選択しなければいけません。
しかし管理組合が機能していない場合には、総会すら開催されず意思決定をすることができません。総会において意思決定できないマンションは建替えすることも、解体して敷地を売却することもできません。
管理組合が機能していない状態とはどのようなケースでしょうか?
- そもそも管理組合がない
- 管理組合はあるが規約もなく活動もされてない
- 管理組合および理事会もあるが長期修繕計画がなく修繕積立金がない
このようにいくつかのグレードはありますが、管理組合の健全性という面から言うと問題のあるマンションです。
建替え時期だけに限らず、売却を検討する時点でこのような点はマイナス材料となり、資産価値の低いマンションと言えるでしょう。
中古マンションの選び方
ここまで述べたように、マンションは築60年目の状況を考慮して選ぶ必要があります。
つまり60年目の頃に次のような選択肢があるかどうかです。
- 建替計画がスムーズに進む可能性がある
- 建替が無理な場合は敷地売却がスムーズに進む可能性がある
どちらも可能性として低い場合は、60年目が来る前に売却できるマンションかどうかが重要であり、目安としては遅くても築50年までに売却できることが条件です。
この時期を逃してしまうと、建替えることもできない、敷地として売ることもできない、資産価値としては非常に低いマンションを所有しつづけることになってしまいます。
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