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住宅用火災警報器が「eCall」のようなものになると防災効果が上がる

住宅用火災警報器の設置が義務付けされて10年が経過しました。電池切れの為の交換警報音が鳴って警報器の交換をした方も多いと思います。
10年持つはずが5年で交換したというケースもあると思います。義務付けされた時から感じていた警報器の性能に対する疑問。10年たってもまだ解消されていません。理想的な住宅用火災警報器の姿を考えてみます。

住宅用火災警報器が義務化され設置しているご家庭も多いと思います。
備えあれば憂いなしで、付けることに反対はしませんが、もう少し性能というか、ありがたみが実感できる装置にならないものかと思っています。

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10年持つと言われる電池が4年ほどで電池切れ

義務化された時に、いち早く設置した方がよいと思われたのが、賃貸住宅です。
設置義務は大家さんにあるので、万が一火災によって入居者に被害が出ては、大家さんの責任は免れません。
管理していた物件の大家さんにお知らせして、短期間で火災警報器の設置を進めたことがあります。

設置して4年ほど経つと、入居者の方から「ピッピッ」と妙な音がすると連絡あり、調べると火災警報器の電池切れです。
設置した時の業者の話でも、取扱説明書にも「電池は10年で交換」となっているのに、4年でダメとはあきれたものです。

電池の寿命の短さも気に入りませんが、あの程度の音でぐっすり寝込んでいたら起きられるのかという疑問も大いにあります。
どうもまだまだ性能面では今一つというもののように感じています。

自動車に出来て住宅に出来ないことは無い

話がガラリと変わりますが、2018年3月31日以降からヨーロッパで、車に搭載することが義務付けされた装置があります。

自動緊急通報システム「eCall」というものです。

大きな事故によって運転者が意識不明な状態になっても、車に搭載された装置が自動車事故センターに通報し、救急車などの手配をしてくれるというものです。

しくみは簡単で、GPSと装置に装着されている「SIM」カードが繋がり、車の位置情報やあらかじめ「SIM」カードに入力されている、車の諸情報を自動でキャッチできるものです。

欧州でeCall(自動緊急通報システム)の装備が義務化:ボッシュ

こんなことが出来るのなら、火災警報器が熱や煙を感知したら、近くの消防署に自動で通報することも可能ではないでしょうか。

IoT住宅の開発に大手ハウスメーカーや意欲のあるビルダーが取組んでいます。
利便性や快適性をテーマにした商品とか、防犯・防災に焦点をあてた商品開発が行われていますが、1戸の住宅でシステムが完結するものが多いようです。

警察や消防署などの行政機関との連動を可能にするシステム、それを可能にする環境はそろって来ているように思います。

住宅内に設置される火災警報器の個数は数億個という単位ですが、5G通信が実用化されると、それらと消防署の制御機器を接続することはそんなに難しいことではありません。

火災警報器が煙や熱を感知すると、大きなモニターに端末の位置情報が瞬時に映し出され、消防署から火災の有無を確認する呼びかけが行われ、異変があればすぐに消防車が駆け付けるといったことも可能になります。

毎朝カーテンが自動で開いたり、鍵のかけ忘れを知らせてくれるシステムもいいと思いますが、火災から命を救う効果のあるIoT住宅の開発が待たれます。

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