政府の最終的な判断はまだ先かもしれませんが、消費税が10%になることを想定して、戸建住宅や分譲マンション購入時の資金計画にどのような変化が生まれるのか見てみます。
2018年12月11日に政府発表があり、住宅ローン減税の適用期間が3年間延長になりました。
消費税が課税される対象金額を知っておこう
住宅やマンションの購入に際して課税される消費税は、物件の売買価格に対して10%の課税がされるわけでは無いことをご存知かも知れませんが、まずおさらいしておきたいと思います。
通常分譲戸建てや分譲マンションの価格は“土地代金”と“建物代金”の合計で表示しています。
注記に「税込み」となっている場合は、建物代金に消費税が含まれているわけです。
例えば4,000万円の物件で土地代が2,000万円、建物代が2,000万円となっていると、現在の8%で計算している場合は、建物価格=1,852万円、消費税=148万円となります。
この物件が増税後にどのような価格になるか考えてみましょう。
普通に考えると、土地代=2,000万円、建物価格=1,852万円、消費税=185万円となり合計で4,037万円となるのですが、4,000万円のままで販売される可能性もあります。
その場合の内訳は次のように変更される可能性があります。
- Aパターン:土地代=2,000万円、建物価格=1,819万円、消費税=181万円
- Bパターン:土地代=2,372万円、建物価格=1,480万円、消費税=148万円<
どちらのパターンも合計すると物件価格は4,000万円ですが、消費税は売主が申告して支払いますので、販売のしやすさと税負担を考慮して、価格の調整を行うこともあります。
もし、そのようなことがあっても購入する方にとっては、増税後も物件価格は4,000万円と同じなので影響はありません。
このようなことを考えてみると、不動産物件の消費税は建物だけに課税されるので、増税になった場合でも増税分がすべて消費者の負担になるわけではないというケースがあることを覚えておいて下さい。
*物件や売主である事業主体によって異なります。*仲介手数料などの諸経費は増税分が消費者の負担となります。
増税後の住宅ローン減税とすまい給付金
消費税が8%に増税された時に拡充された「住宅ローン減税」は引き続き継続する予定です。
内容についておさらいしておきます。
- 対象物件:2020年12月末までに取得する戸建住宅や分譲マンション
- 対象金額:年末時点の住宅ローン借入残高(4,000万円又は5,000万円)
- 控除率:借入残高の1%(10年目まで)、借入残高の1%又は建物価格の2%を3等分した額のいずれか低い金額(11年~13年目)
- 控除期間:13年間
*2018年12月11日に変更
すまい給付金は消費税が5%から8%に増税された時に新設された制度です。
10%に増税になると給付額や給付対象が拡充されます。
増税後の給付額は以下のようになります。
年間収入額の目安 | 都道府県民税の所得割額 | 給付基礎額 |
450万円以下 | 76,000以下 | 50万円 |
450万円超525万円以下 | 76,000円超97,900円以下 | 40万円 |
525万円超600万円以下 | 97,900円超119,000円以下 | 30万円 |
600万円超675万円以下 | 119,000円超140,600円以下 | 20万円 |
675万円超775万円以下 | 140,600円超172,600円以下 | 10万円 |
年間収入額は目安の金額で、都道府県民税の所得割額によって“給付基礎額”が決まります。
所有者が複数いる場合は、持ち分比率によって給付基礎額を按分します。
すまい給付金は住宅を現金で取得する場合でも受け取れますが次の条件がつきます。
- 年齢が50歳以上
- 年間収入金額の目安は650万円(都道府県民税の所得割額が133,000円)以下
消費税が課税されない中古住宅
消費税が10%になると住宅のような大きな買い物では負担がずしんと来ますが、中古住宅の場合に限って消費税が課税されないことがあります。
意外とご存知ない方がけっこう多いのですが、消費税が上がる前にいい物件を購入しようと、不動産屋巡りをする人が多くなります。
中古住宅には2種類あって
- 売主が法人(不動産会社やその他の企業)の物件
- 個人所有の物件
個人所有の物件については消費税は課税されませんので、消費増税を気にしなくても大丈夫です。
気に入る物件を納得いくまで探してみて下さい。
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