ハウスメーカーやビルダーのアフターメンテンナンスに、不安を感じている住宅ユーザーにはお勧めのサービスです。
以前「一戸建て住宅の長期修繕計画を立てる」についての記事を書きました。
これに関連して、2009年にサービスを開始した修繕費の積立制度についてご紹介します。
「おうちポイント」は使える積立制度かな?
「おうちポイント」は、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社系列の住宅保証サービス事業を行う日本リビング保証株式会社が行っている『戸建て住宅のメンテナンス費用積立金制度』。
毎月一定額のポイントを貯めていくと、基本サービスに含まれる設備機器のメンテナンスがフリーになり、その他、ポイント還元により現在の預金金利よりも得な積立ができます。
メニューは基本サービスからフルリフォームに対応するオプションメニューまでありますが、特徴を見ていきたいと思います。
メンテナンスフリーの基本サービス
まずメンテナンス費用がフリーとなる基本サービスを見ていきます。
- 給湯器
- システムキッチン
- システムバス
- 洗面化粧室
- 温水洗浄トイレ
以上の設備機器のメンテナンスが、契約期間中は何度修繕工事を行っても費用はフリーとなります。
契約は新築住宅はもちろん既存住宅も可能ですが、築5年以上の場合は点検を受けて設備機器にトラブルが起きていないか確認をします。
5年以内の場合は不具合が無いかを自己申告します。
メンテナンスの内容は「お湯が出ない」とか「センサーが働かない」などの作動不良が主ですが、「トイレの水が流れない」といった緊急事の対応も年2回までは無料でやってくれます。
作動不良になるとほとんどの場合は、機器のメーカーが点検することになりますが、コールセンターに電話をしてもなかなか繫がらないし、やっと繋がっても訪問までに日数がかったりと、不快な思いをすることもあります。
更にメーカーごとに連絡先が違うので、取説の保管などはきちんとやっておかないとイザという時に困ることが多いものです。
「おうちポイント」の積立制度に加入していると、何かトラブルがあっても連絡窓口は一ヵ所に集中できるので、慌てずに対応ができます。
基本サービス以外はポイントの活用がポイント
基本サービス以外の修繕工事や機器の交換、リフォーム工事などは別途費用の積立が必要です。
「おうちポイント」の口数を多く契約すると、フルリフォーム工事でもポイント還元の恩恵を受けることができそうですが、問題というか注意をしておきたいことが一つあります。
担当する工事会社が限定されることです。
加盟店制度に登録した工事業者のみが「おうちポイント」を使えるので、工事を依頼したい業者が加盟店にいない場合には「おうちポイント」が活用できません。
せっかく積立をしても依頼したい業者がいないのでは意味がありません。
経営主体が損保大手なので安心感もありますが、住宅リフォーム・メンテナンスとなると、地域密着型で小回りの利く対応が必要です。実際の現場では、地域の設備業者や工務店のネットワークが動くことになりますが、そのあたりがどうなのか多少不安に感じる点があります。
しかし、保険会社には元々代理店網によるきめ細かな顧客対応を実施してきた実績があるので、メンテナンス業という新たな業態を作ることが出来るかもしれません。
顧客の囲い込みが現代の時流
いろんな業界で顧客の囲い込みが盛んに行われています。
リフォーム潜在需要を早い段階で囲い込もうという戦略を感じます。そして“住まい”から生まれる様々な局面に対応したサービスの提供によって、20年~30年のスパンで続くBtoCの関係をより密接にしていこうということでしょう。
大手ハウスメーカーがなかなか出来なかったことを、業態を変えて異業種が参入してきたという印象を感じるのですが、先々注目したいビジネスだとは思います。
参照記事》》https://style.nikkei.com/article/DGXMZO19656280U7A800C1PPE000
設備・シロアリ点検も含めたインスペクションサービス
日本リビング保証の子会社リビングポイント株式会社一級建築士事務所は、2018年4月の宅建業法改正以降「ホームインスペクション」の受託件数が大幅に増加し、同年8月には通常のインスペクションに加えて、設備点検とシロアリ点検をインスペクションメニューに加え、さらに投資家向けのサービスとして「共同住宅のの一棟まるごとインスペクションプラン」を開始しました。
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