一戸建て住宅はいずれは建替えしないと、住めないくらいに老朽化しますが、分譲マンションでも同じことが言えます。分譲マンションの購入を考える時、将来の不安点として考えられるのが、老朽化と建替えが可能かどうかということです。
新耐震基準前のマンションが120万戸以上とも言われ、マンションの建替えは大きな社会問題になるとも予想されていますが、ここでは、マンションの建替えに必要な条件や、建替えの可能性について、現状ある問題点を探ってみようと思います。
容積率が変更されている地域はマンションの建替えに有利
マンションの建替えで最大の課題は管理組合の議決です。管理組合員の4/5以上の賛成が無いと建替えはできません。そして、建替えに関わる費用負担が出来るだけ少なくなることが前提条件になります。
建替え実績棟数がすごく少ない理由には、この費用負担の問題があります。
現在の管理組合員である区分所有者の建替え費用を少なくするには、大きな前提条件があります。
建築物の法律に都市計画法や建築基準法があります。マンションが建っている地域は100%、都市計画区域であり用途地域が定められています。用途地域によって容積率が定められていますが、建替えを検討しているマンションが新築された時の容積率よりも、現在の容積率が大きくなっていると、現在の面積よりも大きなものを建てることが出来ます。
現在の面積よりも大きなマンションを建てられる場合、その余分に建てた部分を第三者に分譲し、収益を上げることができます。このように新たな収益が多ければ多いほど現在の区分所有者の負担は少なくなります。
マンション建替えには管理組合の建替え決議が必要
建替えの費用負担が少なくなったとしても、もうひとつクリアしなければならないことがあります。それが管理組合による建替え決議です。
建替え決議は区分所有者全員の4/5の賛成によって成立するのですが、費用の面で賛成できない人や、後継者がおらず建替えには否定的な人、そして空室で連絡の取れない人や、相続者がおらず所有権があいまいになっている空室、などなど・・・いろんな事情をかかえたマンションは、古くなればなるほど多くなります。
この事情は、建替えの費用負担が少なくならない、つまり当たり前に建替え費用がかかるマンションの場合にはもっと深刻です。
平均的なマンションの面積を20坪として計算すると、共用部の面積を加算して一戸当たりの費用負担対象面積は25坪。これに施工単価坪あたり50万円を掛けると1,250万円が一戸の負担する金額です。
それに更に解体工事費や仮住まい費用や2回の引越代を加算すると1,300万円を超えることになります。
マンションを購入するなら建替えに有利な条件の物件を
マンションの建替えには大きな課題があります。この課題をクリアできそうな物件を購入することがマンション購入の鉄則です。
- 用途地域が変わる可能性のある利便地域
- マンションが老朽化しても需要のある地域
- デベロッパーが建替え計画を立てそうな物件
- 再開発されるような駅前一等地の物件
こんな物件なら将来的に建替え計画が現実化する可能性があると思います。
そんな物件を探してみましょう!
参考 》》 マンション建替えを取り巻く状況と課題について
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