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固定資産税の滞納で差押それでも任意売却は可能?

住宅ローンの返済が滞ると固定資産税も滞納することがあります。固定資産税は市町村税なので、滞納している人と所有している住宅が簡単に紐づけできるので、差押えの登記が簡単に出来ます。任意売却をしようと思っているのに、市町村の差押があると大丈夫なのかと心配する人もいます。
ここでは任意売却と固定資産税滞納による差押えについて解説します。

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固定資産税を滞納すると自宅が差押えられる理由

固定資産税を滞納していると、何の通知もなく差押が来ることがあります。

どうして勝手に差押する権利があるの?
いいえ、権利ではなく義務なのです!

固定資産税などの地方税に関する法律があります。地方税法と言いますが第373条には次のような定めがあります。

固定資産税に係る滞納者が次の各号の一に該当するときは、市町村の徴税吏員は、当該固定資産税に係る地方団体の徴収金につき、滞納者の財産を差し押えなければならない。
1.滞納者が督促を受け、その督促状を発した日から起算して十日を経過した日までにその督促に係る固定資産税に係る地方団体の徴収金を完納しないとき。
以下省略

固定資産税の滞納者に督促状を送り、10日が経過するまでに支払わない時は、滞納者の財産を差し押えなければならない

とはっきり明記されています。
市町村が差押をしないと法律違反になってしまう・・・こんなトンデモナイ可能性もあります。

地方税に係る差押が任意売却に及ぼす影響

任意売却には金融機関が強制的な債権回収を計るのを防ぎ、円満な形で債務整理をする目的がありますが、市町村の差押があると自由な売却が出来ず障害となります。

税金は地方税も国税も強い徴収権があり、仮に自己破産した場合でも納税に関しては免除されません。
そのくらい強い徴収権があるので、固定資産税を未払いのまま売却しても差押えは解除してくれず、任意売却は成立しないで終わってしまいます。

差押えされたらすぐに公売になってしまうのでは?
固定資産税の滞納と言っても数万円~数十万円という範囲なのですぐに強制的な取立てはありません!

差押えには住宅ばかりでなく預金口座や給与など、すぐに現金化できる方法もありますが、差押可能な財産の調査が必要ですし、差押えても預金口座にほとんど預金が無い状態では意味がありません。
自宅の差押えは調査する必要もなく簡単にできることですし、滞納者へのプレッシャーとしては最高の方法です。
その為、割合手軽に出来て効果のあるのが自宅の差押です。

市町村の差押え登記がある住宅を任意売却する方法

市町村の差押えがある場合、抵当権と差押えとどちらが優先されるかという問題があります。
不動産に係る権利は登記順が原則ですので、住宅ローンの抵当権設定の日付と、差押え登記の原因となる税金の期日とでは、常識的に考えても抵当権の方が先に登記されています。

抵当権の方が差押えより優先されるのが普通!
抵当権が優先するなら税金は後回しでいいのでは?
市町村が差押えを解除してくれないと売ることはできません!

そこで方法としては

優先権は抵当権者にあるのですが差押解除をしてもらう為に、抵当権者と協議して、売却代金から滞納税金分を捻出してもらい、残った代金から住宅ローンを清算することに同意してもらうよう交渉します。

任意売却ではこのようにして、滞納している税金の清算も合わせて出来るように進めていきます。
*競売になると、このようなことは出来ません。

無益な差押えの解除請求って?

滞納税額がけっこう高額で第一抵当権者が、滞納分全額の捻出では同意しない場合もあります。
そうなると市町村に掛け合って減額してもらうのですが、そちらも納得してもらえずニッチモサッチもいかないということもあります。

そのような時にどうするかなのですが

これは経験が無いのでどの程度の効果があるのか分かりませんが、無益な差押えの解除請求というものがあります。

差押をしても回収できるだけの金額にならない物件を差し押さえるのは“無益な差押”

とみなされ、差押した当事者に対して差押解除の請求ができるのです。
法的根拠は「国税徴収法」です。第48条にこのような定めがあります。

(超過差押及び無益な差押の禁止)
第48条 国税を徴収するために必要な財産以外の財産は、差し押えることができない。
2 差し押えることができる財産の価額がその差押に係る滞納処分費及び徴収すべき国税に先だつ他の国税、地方税その他の債権の金額の合計額をこえる見込がないときは、その財産は、差し押えることができない。

もしも市町村との話し合いがつかなかった場合には、チャレンジしてみるのも方法だと思います。

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