契約が終わるといよいよ工事が始まります。思い通りのマイホームになるかどうかは工事で決まります。工事が始まると忙しいもの打合せ通りに現場は進んでいるのか確認も必要です。工事中のチェックポイントを分かりやすくお伝えします。
契約から着工・引渡しまでの流れ
住宅の工事契約をします。請負工事契約といいます。
請負という言葉は耳慣れないかもしれませんが、最後まで責任をもって契約の目的を履行することを言います。
請負と、異なるのは委託です。委託は設計事務所と契約する設計業務委託契約です。
委託は途中で、業務を中止することが出来ます。請負は出来ません。
*土地を購入される方は「土地売買契約」も行います。
契約は双務契約と言いまして、請負者は最後まで責任を持って目的物を注文者に引き渡す義務を負います。
注文者は請負者に対し、決められたとおりに代金を支払う義務を負います。両方に義務があるので双務契約と言います。
契約の時には契約書に付属する契約約款(けいやくやっかん)というものがあります。ほとんどは、請負者に有利になっています(少しだけ)。
何故でしょうか?請負者が作った約款だからです。
気に入らない場合は、ご自分で契約約款を作ってもいいですよ。但し、請負者が同意しないと契約自体成立しませんが。
契約が終わると、融資を受ける場合には、銀行に本審査を申し込みします。借入の関係は、「銀行の手続きについて」を後日書きます。
本審査に合格すると、融資承認が来ますので、建築確認が終わっていれば着工です。
着工時には、請負者が近所の挨拶をします。工事期間中は何かとご近所に迷惑がかかりますので、挨拶は欠かせません。それと会社のPRにもなります。
工事にかかる前に地鎮祭は行った方がいいと思いますよ。費用はおおよそ5万円ぐらいです。
工事前には、設計図面の最終確認を行うのが普通です。変更などがある場合は着工前に打ち合わせをしておいた方が後のトラブルを防ぐことが出きます。
会社によっては、契約後は変更をしない場合もあります。この場合は、契約までに詳細をきちんと打ち合わせしなければなりません。
トラブルを防ぐ・失敗をしないためには、契約前に完全に検討・打ち合わせを終わらせて、契約後は変更があり得ない状態にするのが望ましいことです。
工事途中の打ち合わせ
内装・外装の色の確認や、図面上では決め切れなかった微妙な部材の位置などは、工事中に決めることもあります。担当者と日時を決めて現場で打ち合わせをします。
あるいは、工事が決められた通りの内容で進んでいるかの確認も必要です。現場にはたびたび行った方がいいですよ。
現場に単独で行った場合、大事なことがあります。
何か変更したい事や、追加したい事など、どんな些細なことでも現場の大工さんや職人さんに、直接依頼するのはやめた方がいいですよ。必ず営業担当か工事担当に伝えましょう。
現場の責任者は会社の担当者です。大工さんや職人さんではありません。これも、トラブルを未然に防ぐひとつの方法です。
引渡し前検査から引渡し
引渡しの数日前から1週間前には検査を行います。会社の自主検査を終えて、お客様に引渡しを出来る状態になったら、施主検査と言いますが、お客様の検査を受けます。引渡し前に、手直しするところがあれば直して引渡しを行います。
施主検査では、住設・備品・色・位置など取り決めたとおりになっているか確認します。これは簡単なのですが、建具の建て付けや床鳴りであるとか、専門家でないと見つけられない不具合のチェックは、素人のお客様には難しいことです。
立ち会っている会社の方に診てもらい、それをお客様が確認する、というやり方がいいでしょう。
工事代金の支払いとほぼ同時に引き渡しとなります。支払い時期については、会社によって違います。
引渡しとは、鍵を受取ることによって、建てた住宅にはお客様しか入れなくなります。建築会社はもう入ることは出来ません。鍵の受け取りによって引渡しが完了します。
引渡しの時は、引越しの準備の最中ですのであわただしく、細かなことには気付きません。
入居されてからゆっくりと点検してもいいでしょう。
アフター訪問
どこの会社も引き渡し後は定期アフター訪問を実施します。
3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、2年といった感じですね。ところが、この訪問が実施されずに、お客様の不満になるというケースも少なくありません。この段階では、引渡しは終わっていますので、請負契約は修了しています。「アフターに伺いますよ」というのは、あくまでもサービスと捉えておく方がいいですよ。
だいたい家づくりの流れは言葉にするとこんな感じです。
うまく表現できませんが、この流れの中で様々な事が起き、それが楽しい思い出となったり、とんでもないトラブルになってしまったりするものです。
順調に進めばいいのですが、そうはいかないのが現実です。