早く高く売れるための販売活動と売買契約

基礎知識

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不動産会社は媒介契約が締結されると、さっそく物件を売却するための活動に入ります。一般的に媒介契約は3か月間ですが、もし期間内に売れない場合には再契約を念頭にスタートします。

ここでは販売活動の具体的な方法と、活動により購入希望者が見つかり売買契約締結までの流れをお伝えします。

主な販売活動

真っ先に着手するのは次のようなものです。

  • 物件に関する詳細な調査
  • 調査に基づいた物件資料の作成
  • REINS(国土交通大臣指定の不動産流通機構ネットワークシステム)に物件登録
  • 自社のホームページや、Yahoo!不動産などの不動産ポータルサイトに登録
  • 新聞折込チラシや広告、フリーペーパーなどへの掲載
  • 内覧やオープンハウスの開催

居住中の物件を売却する場合のオープンハウス開催は、売主さんに多少の負担を掛けることになりますが、早く売却するためには必要なことです。
また内覧希望のお客さまがいる場合には、売主さんと日時を調整して行います。

居住していない物件の売却は不動産会社に入り口の鍵を預け、不動産会社の管理のもと内覧やオープンハウスを実施します。

インターネットによる情報をもとに、関心のあるお客さまが内覧し契約に至るケースがほとんどであり、一連の活動を積極的に行うことにより売却を早期に行うことが可能になるのです。

売買条件の調整

内覧により物件を確認したお客さまから購入したいとの希望があると、不動産会社との間で購入についての「媒介契約」を交わし、不動産購入申込書(買付証明書)が提出されます。

不動産購入申込書には

  • 購入希望価格
  • 引渡し希望時期
  • 融資利用の有無
  • その他の希望する取引条件

などが記載されています。

購入希望価格が売出価格と同じであれば売主さんにとって申込みを断る理由はなく、引きつづき売買契約に向けての売買条件(取引条件)の調整を不動産会社が行います。

購入希望価格が売出価格を下回る場合は、売主さんの計画に変更が生じる可能性もあり、検討した上で売買価格の調整を不動産会社が行います。

売買価格の調整は、それぞれの希望価格が折り合うまで行いますが、なかにはなかなか折り合わず破談になるケースもあります。

売買契約までの準備

売買価格の調整がつき取引条件も整うと売買契約の準備に進みますが、購入希望者が住宅ローンなどの融資を利用する場合には、まず銀行などに事前審査の申込をします。

事前審査が承認になるといよいよ契約になるのですが、事前審査が承認されないケースもあります。その場合はまた改めて購入希望者を見つけるために、引きつづき販売活動を再開し売るための努力をつづけていきます。

事前審査が承認されるとこれ以降は次のような流れで進みます。

  1. 買主さんに対して重要事項の説明を行う
  2. 売買契約を締結する
  3. 買主さんが銀行へ融資の本申込を行う
  4. 融資が本承認されると買主さんは銀行との金銭消費貸借契約を締結
  5. 決済・引渡しを行う

売買契約の締結

売買契約は、売主さん買主さんが両方そろう日を選んで行います。
どうしても都合が付かなかったり、遠方で予定が立たないといった特別な事情がある時には、代理人による契約や持ち回りによる契約を行うこともありますが、買主さんに対しては、宅地建物取引業法で定めている 宅地建物取引主任者による重要事項説明を行った後に契約書にサインをいただきます。

「持ち回り」とは、先に売主さんに契約書の内容を説明し売渡しの合意をいただき、記名押印などの手続きを済ませます。その上で買主さんに契約書の記名押印と手付金の支払いをしていただく方式です。

買主さんへの重要事項説明は契約前にする必要があるので、事前に説明を行うか契約当日に行うかのどちらかになります。

持ち回りでは買主さんが売主さんへ直接手付金を支払いことができないので、不動産会社が預かるか、買主さんが売主さんの銀行口座へ振り込む方法になります。

買主さんが銀行への融資本申込を行うには、売買契約書が必要になるので売買契約は引渡し希望日の1か月前には行わなければなりません。

融資本申込が承認されないとき

売買契約後に融資の本申込を行いますが、稀に本申込の審査により融資が承認されない場合があります。

事前審査では問題のなかった買主さんですが、本申込の時点で融資条件に合わないことが判明し承認されないといったことが起きます。

既存の借入金や未利用なクレジットの融資枠、団体信用生命保険の告知内容など、いくつか本審査の時点で問題となることがあります。

すでに売買契約は締結しているのに融資が受けられなければ購入できません。このような場合を想定して、融資利用の売買契約では「融資利用の特約」を必ず契約書に加えます。

万が一融資が承認されない場合は契約が白紙となり、手付金は買主さんに返還して契約解除となるのです。

不動産売買における不動産会社の重要性

この記事では販売活動から売買契約までのプロセスを説明してきましたが、重要なポイントが2つありました。

買主さんの希望する購入価格と、売主さんの希望である売出価格の調整は不動産会社の役割
売買契約は白紙解除になる可能性を抱えており、万が一の場合に対応するのも不動産会社の役割

このように不動産会社の役割は非常に重要であることがわかります。

早く高く不動産を売るためには、信頼のおける不動産会社に依頼することが最重要なのです。

次に売出価格と買主さんが希望する価格の違いを調整するとは、どのようなことなのか「売出価格と成約価格の違い|売買価格が決まるまで」をご覧ください。