損をしない賢い不動産査定依頼の方法

基礎知識

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不動産査定は複数の会社に頼もう!
などと不動産関係の記事に書かれていますが・・・・・これってホントのこと?
複数の会社に査定を頼むのは 査定してもらって一番高い会社に売却を依頼する という考え方からなのですが、査定が高いからと言って、必ず高く売れるわけではありません。

不動産会社が行う不動産査定は『このぐらいの金額で販売してはどうですか?』という参考価格です。
販売価格は最終的には売主さんが決定しますので、複数の会社に査定を依頼して、まるで入札でもするように、一番高い会社に頼もうというのはあまり意味のないことです。

この記事では、不動産査定に関する基本的な知識をお伝えします。

不動産査定の概要

不動産の価格を算定することを査定と言いますが、もっとわかりやすく言うと「売れそうな価格」を算定することを言います。

不動産査定には「机上査定」と「詳細査定」がありますが、売却を目的として査定を行うときには詳細査定を行います。机上査定では物件の現状や周辺環境を含めた査定にはならず、現実性のない査定になってしまい売却する場合は望ましくありません。

おさらいしますと「机上査定」とは、過去のデータ(新しくても1か月前程度)に基づき、現地を確認することもなく行う査定です。それに比較して「詳細査定」は現地にて物件の劣化状態や、査定価格をアップできるポイントを見つけ査定に反映させる方法です。

つまり机上査定にしたがって売出すよりも、詳細査定に基づいた価格のほうが高値になる可能性が高いのです。

査定は不動産会社に依頼しますが、似たような言葉に「不動産鑑定」があります。不動産鑑定は国家資格である「不動産鑑定士」が不動産の評価を行うもので、売却のための査定とは目的が違います。また不動産鑑定は一般的に有料となります。

不動産査定は不動産会社が売買取引の仲介業務を受託するのが目的のため、無料で行っています。

査定の詳しい方法は「不動産鑑定」と似たようなものになりますが、不動産の評価といった視点ではなく「いくらなら売れるか」といった視点が強くなります。

査定の依頼方法

査定は不動産会社に依頼しますが不動産会社には2種類あり、宅地建物取引業者の免許を持った会社と免許のない会社です。査定を依頼すると一般的に売却も査定を行った不動産会社に依頼しますが、不動産の売却は宅地建物取引業者でなければできないので、査定も宅地建物取引業者に依頼するのが自然なことです。

通常は街中で○○不動産などと看板を掲げている会社は宅地建物取引業者であることがほとんどです。

では宅地建物取引業者に査定を依頼するにはどのようにするとよいのでしょう?

不動産のポータルサイト(アットホーム、SUUMO、LIFULL HOME’S、ヤフー不動産)には、たくさんの不動産会社が物件情報を掲載しています。その中から売却を考えている不動産の所在地で営業を行っている会社を探して依頼する方法もあります。

もう1つ方法としてあるのが「不動産一括査定サイト」の活用です。

不動産一括査定サイトは査定を依頼したい人と、査定する不動産会社を結びつける役割をしています。実際に査定を行うのは宅地建物取引業の免許を持った不動産会社であり、サイトを運営する事業者が査定を行うことはありません。つまり「不動産一括査定サイト」は不動産会社の窓口になっているのです。

査定結果の分析

依頼した不動産会社から不動産査定書が提出されます。会社により変わるところはありますが、数ページの簡単な査定書から20ページほどの厚い査定書を提出する会社もあります。

記載される内容は以下のようなことです。

  • 土地の基準となる最近の価格
  • 周辺における土地売買のデータ
  • 建物の評価を現時点で行った価格
  • 周辺における土地と建物合計の売買データ

などに基づき対象不動産の現在価格を査定します。とくに周辺の売買データは「取引事例」と言い、不動産査定では重要なものになります。

査定結果を比較するともっとも高い査定額と低い査定額とでは、大きな開きがある場合もあります。

各社の評価する視点や販売戦略を考慮した結果によっても、不動産会社によって大きな違いがあるものです。

媒介業者の決定

査定結果を分析するとともに査定書を提出したそれぞれの不動産会社について、売却を任せてよいか検討します。

1社にしぼることもよいですが、複数の会社に依頼することもできます。信頼できそうな会社が複数あり迷うようなら選別する必要はありません。

ただし複数の会社に依頼する場合、売出価格は同一にしなければなりません。仲介する会社によって売出価格が異なるのは、購入検討者が混乱する原因になってしまいます。

1社に限定する場合、複数の会社に依頼する場合、どのような違いがあるのか「知っておきたい3つの媒介契約の特徴」で解説します。