工事が進んでいくに従い、図面では理解できなかった部分がイメージできるようになり、変更したくなることが起こったり、変更しないと現場が納まらないというケースもあります。
工事中の変更は思っているより難しい
建築確認もおりいよいよ着工ですが、住宅会社からはこのように言われます。
ここからは変更できませんよ!
さて、工事中に本当に変更は出来ないのでしょうか?
建築確認の厳格化
建築確認の厳格化という言葉が、2007年、住宅業界に大きな影響を与えました。
2007年6月20日から建築確認の手続きが厳格化され、確認がなかなか降りない、通らないという現象が起き、住宅の着工数も大幅に低下しました。
このことは、住宅業界には大きな影響を与え、倒産する会社が激増する事態にまでなりました。
当時の混乱ぶりがうかがえるものがあります。
住宅着工戸数大幅減となり、2007年の建築基準法の改正は大きなものだったのですが、この改正によって、建築計画の変更が大幅に制限されるようになったのです。
間取りの変更はまったく出来ません。変更をすると、建築確認申請からやり直しです。申請手数料がまたかかることもさることながら、新たな確認がおりないと工事が継続できません。
変更が必要な理由
建築工事では変更がまったく無いということはありません。
設計図にもとづいて工事は行われるのですが、設計図はあくまでも二次元で表現されたものです。立体的な現実の中では、設計図では想像もしていなかったことがよくあります。
例えば、手摺の高さなどはそのいい例です。設計図にはH=700なんて書かれていますが、実際に階段を下りていく時に、本当に自分に合った手摺の高さというものがあります。立体の中で、初めて確認できる事があるのです。
例えば、居間に吹き抜けを作りました。ところが上を見上げた時に、想像したよりも開放感が少ない、なんてこともあります。
これも、図面からでは把握できなかったことです。
このように、実際の現場が進むにしたがって、想像していたことと現実が違うということが起こってきます。
そんな時にはどうしても変更をしなければならなくなってきます。
工事担当は変更を嫌がる
工事担当者は変更を嫌がるものです。それは、変更によって起こる様々な影響を恐れるからなのですが、具体的なその影響とは
- 変更によって工事金額が変わる
- 工事金額が変わることによって利益率が変わる
- 工程が延びることがある
- 変更の指示が現場に伝わらず後でトラブルとなる
- 工事担当が変更事項を忘れてしまいトラブルとなる
などのように、変更することがトラブルの元になってしまうのです。
上に書いたように頻繁に現場に行けない工事担当かも知れません。担当現場が多すぎて、すべての現場を把握できないこともあります。
ここにも、建主さんにとってはたった一人の現場担当ですが、現場担当にとっては、たくさんある現場のうちのひとつでしかない! という意識のギャップがあります。
工事途中の変更は軽く考えてはイケナイ
床材・壁材の色であるとか、建築確認に関係の無い変更が可能なものもあります。
変更したいと思った時は、早めに工事担当に相談してみて下さい。対応できる場合もあります。
ここで、注意をしたいのは・・・・・確認です。
変更したことが現場にきちんと伝わっているか?
そして、変更依頼をしたことの記録を残しておくことです。
工事担当に電話で変更を頼んだのであれば、後で、メールを送って再確認をするとか、電話で頼んだから大丈夫だろう! という だろう が後々トラブルの元になってしまいます。
工事途中の変更は、出来ないことではないが・・・・・簡単ではナイ!
ということを覚えておいて下さい。
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