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空家をリフォーム工事後に売却するなら“自分が住みたい家にリフォーム”すべし

空家の売却を不動産会社に相談すると、リフォームをした方が売却しやすいですよ。とアドバイスされたり逆に『リフォームしないでこのままで売却する方がいいですよ』いわれることもあります。リフォームしてから売却する、リフォームしないで売却する。どちらが正解なのか考えてみました。

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古い家をリフォームして売り出す意味とは

売却したい空家とは、対象となるのは築年数の古い住宅です。
2013年のデータですが、年代別の戸建住宅(持家)のストック数を見てみます。

1970年以前 425万戸
1971~1980年 494万戸
1981~1990年 496万戸
1991~2000年 529万戸

出典:建築年代別の住宅ストック総数(国土交通省)

1980年以前の住宅は約1,000万戸近くあります。築年数は37年以上です。
800万戸とも言われる“空家”と空き家予備軍のほとんどが、この1,000万戸に含まれるのでしょう。

(1,000万戸もあるんですね“旧耐震基準の家”が。)

築37年以上となると、売却するとしても“土地代”程度の価格になります。
生活できそうもない物件は“古家つき”といった形容詞がつくことも多くあります。

売却前にリフォームをするかしないかの迷いが生まれる背景には、土地代以上で売りたい、という売主側の希望があります。
建物の評価を加えて土地代+300万円というような価格設定などは、このような事情が伝わって来ますが、果たしてその価格で売れるかどうかは別問題です。

買う側から見た場合、古い住宅はまず土地の価格から比較します。
現状のまま買取って建物を解体し、更地にして利用することを考えると、解体工事費100~200万円を見込まねばなりません。

つまり土地としての使い道しかない物件は、土地相場価格-解体費=買取価格・・・こんな計算で物件を見ます。

売りたい人は土地代+300万円
買いたい人は土地代-200万円

その差が500万円あります。

この500万円のギャップを、リフォームをすることによって埋めることができるなら、リフォームをした方が売りやすいですし、逆にリフォームをしてもギャップが埋まらないようなら、リフォームせずにそのまま売りに出し、なかなか売れないようなら、“更地渡し”を条件に売却するか、解体工事費分を値下げして売却することになります。

500万円のギャップを埋めることのできる住宅の条件

上に書いた500万円のギャップを埋めることのできる住宅は、たぶんあまり無いと思います。
ほとんどの空家は土地代以下で処分することになると思いますが、もしできそうならギャップを埋める条件を考えてみましょう。

500万円のギャップとは『500万円かけてリフォームを・・・』などと、単純なことではありません。

買いたい人から見た付加価値です。
例えば『土地評価1,000万円の古家を1,000万円かけてリフォームし、その物件を見た人が2,500万円なら買いたい』と思うような価値があるかどうかということです。

  • 交通便や生活利便性といった立地条件がよい
  • 敷地に余裕がありアウトドアなどの楽しみが持てる
  • 一般的な3LDKとか4LDKではなく、生活の中に楽しみがある間取り
  • 耐震補強工事を行い、今後、30年以上の耐久性能が見込める
  • 内外ともメンテナンスフリーに近い材料を使用

以上のような条件に合い、リフォーム工事の内容が“耐久性”とか“こだわり”とかに重点を置いた物件ならば付加価値が生まれ、魅力ある物件と位置づけられるのではと思います。

まず立地条件が満たすようであれば、あとはリフォーム工事の内容です。
建築家やデザイナーなどと相談し、売れそうな物件に変えられそうなら、リフォーム後の売却に踏み切ってもいいでしょう。

ただし売れそうな物件とは・・・自分が住んでみたくなるような住宅です。

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