本当によい物件はポータルサイトに掲載する前に売買されている！

中古住宅の購入を検討している方にとって、できるだけ希望する条件に合致する物件を見つけたいと思うものです。希望条件の中には多くの方が優先したい条件があります。

「割安」「好立地」「築浅」

つまり、立地がよく築年数が浅いのに相場よりも価格が安い物件です。
「優良物件」と言えるような物件ですが、このような物件、実はポータルサイトに掲載されることは少ないものです。

この記事では誰もが求める優良物件ほど、ポータルサイトに掲載されない、その理由をお伝えします。

売り出すのは不動産会社

個人が所有する住宅であっても、売り出すのは不動産会社です。つまり売主である個人が直接、中古住宅市場に物件を出すことはありません。

個人の住宅は不動産会社が仲介し売りに出されます。

一方、不動産会社には住宅を探している顧客がいます。不動産会社の顧客は、できるだけ条件のよい物件を見つけてくれるよう不動産会社に依頼しています。

このことが「優良物件ほどポータルサイトに掲載されない」理由になっています。

まだ分かりにくいと思いますので少し突っ込んだ話をします。

住宅の売却を依頼された不動産会社は媒介契約締結後、いろいろな準備をして販売活動を開始しますが、何よりも優先してある行動をとります。

売却する物件に合いそうな顧客に連絡をする！

不動産会社には、購入したい物件についての希望条件を整理した「顧客リスト」があります。その中から、これから販売開始する物件なら購入しそうな顧客をピックアップし、物件情報を知らせます。

まだレインズにも登録してませんし、もちろんポータルサイトにも掲載されておらず、自社のサイトにさえも掲載していない “超ホット情報” です。売却依頼を受けた不動産会社しか知らない情報であり、もしかしたら担当者しか知らない情報ということもあります。

そのようなホット情報を担当者の顧客だけに伝え、内覧や検討をした顧客が「購入する」と決断、その後、住宅ローンの事前審査の承認を得るとそのまま売買契約に至ります。

このような物件は、レインズに登録する時にはすでに「商談中」となり、自社サイトに掲載することもなく、ポータルサイトに掲載することもなく売れてしまうのです。

上記のように優良物件や好条件の物件は、売却を任された不動産会社以外、誰も知られることなく売れてしまうことがあります。

そして、このような経過で売れた場合は、他の不動産会社が仲介する余地もありません。媒介契約を締結した不動産会社は売主・買主の双方から仲介手数料を受取る、いわゆる「両手」で仲介業務をこなすことができるのです。

不動産会社にとって仲介手数料が「片手」より「両手」のほうがよいのは当然のことです。確度の高い顧客リストを持っている不動産会社ほど、ポータルサイトに掲載する前に物件を売っていると言えるでしょう。

ただし、このようなことができる期間は限られています。専属専任媒介契約または専任媒介契約ではレインズへの登録が義務づけられており、しかも登録までの期間が限られています。レインズに登録すると他の不動産会社にも物件が公開されるため、このような販売活動ができるのは短期間です。

短い期間ですが、確度の高い顧客リストを保有している会社は、この短い期間を有効に使っています。このようなことが「ポータルサイトに掲載されない優良物件」というものが存在する理由となっています。

現代はインターネットでほとんどの情報を収集できる時代です。そのため、住宅を探す多くの方がスマホを片手に情報収集しています。

しかし、既に述べたように「本当に優良な物件」は、インターネットで探すことができない可能性が高いのです。「本当に優良な物件」は特定の人だけにしか知らされず、誰にも知られず売買されているかもしれません。

以上のようなことから、本当に優良な物件情報も誰よりも早く知りたければ、不動産会社に細かな希望条件を伝え、物件探しを依頼するのが最善の方法と言えるのです。