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「旧市街地改造法」に関して説明すべき重要事項と法律の背景

都市の再開発を行うための法律の一つが「市街地改造法」です。昭和36年に成立したかなり古い法律です。すでに廃止されているのですが、一部に現在も有効な部分があります。重要事項説明では、この法律に基づいた市街地改造事業の適用を受けた不動産の取引では「市街地改造法」について説明すよう定められています。

市街地改造法は廃止されているので、テキストとして全文を確認することはできませんが、国立公文書館 デジタルアーカイブで画像の確認をすることが出来ます。

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旧市街地改造法の有効な部分

旧市街地改造法は正式名称は「公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律」と言います。
「旧」の文字が付くように既に廃止された法律ですが、なぜか現在も有効な部分があるので、この法律が適用されている区域に対象不動産がある場合は、重要事項説明で説明が必要とされています。

説明する内容は「旧市街地改造法第十三条第一項」で条文は以下の通りです。

防災建築街区造成事業の施行地区内において、事業の施行の障害となるおそれのある土地の形質の変更、建築物の新築等の行為をしようとする者は、国土交通大臣又は都道府県知事の許可を受けなければなりません。

条文の中で防災建築街区造成事業の施行地区とありますが、防災建築街区造成事業は、これも廃止された法律で「防災建築街区造成法」で定めているもので次のようにされています。

防災建築街区造成事業とは、防災建築街区において行う防災建築物やその敷地の整備に関する事業をいいます。防災建築地区とは、国土交通大臣が、関係市町村の申出に基づき、災害危険区域内の土地で都市計画区域内にあるもの又は防災地域内にあるものについて、耐火建築物等の防災建築物を整備するため指定した街区をいいます。

「公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律」と「防災建築街区造成法」は共に、「都市再開発法」の成立により廃止されたのですが、
都市再開発法の附則に次のような定めがあります。

(市街地改造事業等に関する経過措置)
第四条 この法律の施行の際、現に市街地改造事業に関する都市計画において施行区域として定められている土地の区域について施行される市街地改造事業については、旧公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。
2 この法律の施行の際、現に存する防災建築街区造成組合、現に施行されている旧防災建築街区造成法第五十四条に規定する防災建築街区造成事業及び現に同法第五十六条の規定による補助金の交付の決定があつた防災建築物に関しては、同法は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。

ここで、都市再開発法の施行後も、旧市街地改造法と旧防災建築街区造成法についての有効性を定めているわけです。

旧市街地改造法により行われた市街地改造事業は以下です。

  • 埼玉県さいたま市浦和駅前
  • 東京都港区新橋駅前
  • 神奈川県横浜市鶴見駅西口
  • 石川県金沢市武蔵ケ辻第一地区
  • 静岡県熱海市熱海駅前
  • 愛知県名古屋市小鳥町
  • 大阪府大阪市大阪駅前
  • 大阪府大阪市谷町地区
  • 大阪府茨木市阪急茨木市駅前
  • 兵庫県神戸市六甲地区
  • 兵庫県神戸市三宮地区
  • 兵庫県神戸市大橋地区
  • 兵庫県姫路市船場第一地区
  • 兵庫県姫路市船場第二地区
  • 兵庫県姫路市船場第三地区
  • 福岡県福岡市清川一丁目地区

*データは国土交通省「§9市街地開発事業」より

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